会社の従業員が加入しなければならない保険には、健康保険、年金保険、雇用保険、労災保険と様々なものがあります。
このうち、労災保険は正式名称を労働者災害補償保険といい、業務災害や通勤災害による病気や怪我などを対象としています。
今回は労災保険の内容についてみていきましょう。
加入対象者
労災保険の加入対象者は、正社員だけでなく、適用事業所で働くパート・アルバイトを含むすべての労働者になります。
よって、雇用形態に関わらず、労働者を1人でも雇っている会社は労災保険に加入する必要があります。
ただし、事業主や役員は労働者に該当しないので、例えば社長1人の会社などは労災保険に加入する必要はありません。
保険料の支払い
労災保険の保険料は全額事業主の負担となります。
よって、労働者が保険料を負担することはありません。
労災保険料は、賃金総額×労災保険料率で計算されます。
労災保険料率は業種によって異なり、建設業などの危険な業種ほど高く、労災事故が起こりにくい業種ほど低く設定されています。
労災保険料率は厚生労働省の労災保険料率表で確認できますが、高い業種で1000分の60程度、低い業種で1000分の3程度になります。
給付の対象
労災保険は、業務災害又は通勤災害による病気や怪我などに対して給付が行われます。
業務災害とは、労働者の就業中に業務が原因となった負傷、疾病または死亡(傷病等)をいいます。
通勤災害とは、通勤によって労働者が被った傷病等をいいます。
なお、通勤の途中で違うところに寄り道し、その際に病気や怪我などになった場合は、労災保険の対象になりません。
給付の内容
労災保険の給付の内容は、以下の8つに分かれます。
- 療養等給付
- 休業等給付
- 傷病等年金
- 障害等給付
- 遺族等給付
- 葬祭料等
- 介護等給付
- 二次健康診断等給付
療養等給付
療養等給付とは、労働者が業務災害等により療養を必要とする場合、傷病が治癒するまで無料で療養を受けられる制度です。
療養等給付には、治療費、入院の費用、看護料、移送費等、通常療養のために必要なものは全部含まれます。
休業等給付
休業等給付とは、労働者が傷病の療養のために休業し、賃金を受けない日の第4日目以降から休業1日につき給付基礎日額の60%が休業(補償)給付として支給される制度です。
また、このほかに給付基礎日額の20%が特別支給金として支給されます。
給付基礎日額とは、休業前3ヵ月間労働者に支払われた賃金の総額を、その期間の総日数で割った金額になります。
傷病等年金
傷病等年金とは、療養開始後1年6ヵ月経過しても治癒せず、傷病等級(第1級~第3級)に該当する場合に給付基礎日額の245日~313日分の年金が支給される制度です。
障害等給付
障害等給付は、傷病が治癒し、身体に一定の障害が残った場合に一時金が支給される制度です。
遺族等給付
遺族給付は、労働者が業務災害等により死亡した場合に支給され、年金と一時金の二種類のタイプがあります。
葬祭料等
葬祭料等とは、葬祭を行った人に対して、31万5千円+給付基礎日額の30日分又は給付基礎日額の60日分のいずれか高い方が支給される制度です。
介護等給付
介護等給付は、傷病等年金又は障害等年金を受給し、かつ、現に介護を受けている場合に月次で支給されます。
二次健康診断等給付
二次健康診断等給付は、定期健康診断等の結果、肥満、血圧、血糖、血中脂質の4項目全てに異常の所見が認められた場合には、二次健康診断及び特定保健指導を二次健康診断指定医療機関において受けることができる制度です。
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