債券を購入すると、その時点で毎年何%の利息がつくか、満期時にいくら払い戻されるかが決まります。
よって、債券を購入した時点で投資成果が判明することになります。
そして、債券投資の投資成果を計るためには、毎年の利息ではなく、「利回り」に目を向ける必要があります。
「利回り」とは、利息に、購入時の価格と満期時の返金額の差額を調整して算出した比率です。
例えば、毎年の利息が5年間で2万円ずつ、合計で10万円貰っていても、購入時の価格が1,100万円で満期時の価格が1,000万円だと、投資成果としては、90万円の損ということになってしまいます。
上記の例のような事態を防ぐために、毎年の利息ではなく毎年の「利回り」の最大化を図ることが債券投資の基礎になります。
今回は、債券投資の基礎である、「利回り」のうち、①応募者利回り、②所有期間利回り、③最終利回りを確認していきましょう。
応募者利回り
応募者利回りとは、新しく発行された債券(新発債)を満期まで保有した場合の利回りのことです。
計算式で表すと以下のようになります。
{利息+(額面金額-発行価格)÷償還期間}÷投資額×100
所有期間利回り
所有期間利回りとは、新しく発行された債券(新発債)又はすでに発行されている債券(既発債)を購入し、償還前の途中で売却した場合の利回りのことです。
計算式で表すと以下のようになります。
{利息+(額面金額-買付価格)÷所有期間}÷買付価格×100
最終利回り
最終利回りとは、すでに発行されている債券(既発債)を購入し、満期償還まで保有した場合の利回りのことです。
計算式で表すと以下のようになります。
{利息+(額面金額-買付価格)÷残存期間}÷買付価格×100
利回りの計算式の根本は1つだけ
ここまで利回りの種類とそれぞれの計算方法について確認してきましたが、実は利回りの計算式は1つ覚えるだけで十分です。
そもそも利回りとは、元本がほぼ保証されている債券の投資成果を測定するために、1年間に儲かったお金を投資額で割った比率のことです。
つまり、すべての種類の利回りは、①1年間の利息(インカムゲインといいます)+②売値と買値の差額を保有期間で割った金額(キャピタルゲインといいます)の合計を投資額で割って求められます。
計算式で表すと以下のようになります。
{1年間の利息+(売値-買値)÷保有期間}÷買付価格×100
応募者利回り、所有期間利回り、最終利回りがなにを指すかが分かったら、計算式は1つ覚えておけば、理論上も実務上も十分だということを最後に覚えておいてください。
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