ふるさと納税は、生まれた故郷や応援したい自治体に寄付をすることで所得税の還付や住民税の控除ができる制度です。
ふるさと納税を行うと、寄付金のうち2,000円を超える部分について、所得税の還付および住民税の控除が受けられます。
また、ふるさと納税を行うと自治体から返礼品をもらえます。
今回は、ふるさと納税の所得税の還付と住民税の控除の仕組みについて説明していきます。
所得税の還付額について
ふるさと納税を行うことによる所得税の還付額は「(ふるさと納税を行った金額-2,000円)×所得税率」で計算されます。
所得税率は、所得(個人が1年間に儲けた金額のこと)が多いほど高くなります(累進課税制度と呼ばれ、税率は、5%~45%の幅があります!)。
所得税の還付を受けるためには、ふるさと納税をした翌年の3月15日までに確定申告をする必要があります。
また、会社員でふるさと納税の寄付先が5自治体以内の場合、自治体から届いた申請書類を提出することにより、ワンストップ特例制度を受けることができます。
ワンストップ特例制度の適用を受けると、所得税の還付は行われず、本来の所得税の還付部分も含めて、翌年の住民税の控除で調整されます。
住民税の控除額について
ふるさと納税をすると、翌年の住民税から、「通常の」寄付金控除と「特例分の」寄付金控除の2種類の寄付金控除が差し引かれます。
「通常の」寄付金控除と「特例分の」寄付金控除の計算方法は以下のようになります。
「通常の」寄付金控除
(ふるさと納税を行った金額-2,000円)×10%
「特例分の」寄付金控除
(ふるさと納税を行った金額-2,000円)×(1-10%-所得税率)
「通常の」寄付金控除は、ふるさと納税以外の寄付を行った時と同じ住民税控除額の計算式になります。
異例なのが、「特例分の」寄付金控除の計算式になります。
この、「特例分の」寄付金控除の計算式は、「ふるさと納税を行った場合の寄付金額-2,000円」と「ふるさと納税を行ったことによるの税額控除額」を一致させるための調整計算式になります。
計算例でみると簡単に理解できます。
【例】
課税所得金額300万円(所得税率10%)の会社員が2万円のふるさと納税をした場合の所得税の還付金額と住民税の控除額を考えてみましょう。
〈所得税の還付金額〉
(2万円-2千円)×10%(所得税率)=1,800円
〈住民税の控除額〉
・「通常部分」
(2万円-2千円)×10%(定率)=1,800円
・「特例部分」
(2万円-2千円)×(1-10%(住民税分)-10%(所得税分))=14,400円
〈全体の還付・控除額〉
1,800円+1,800円+14,400円=18,000円
「ふるさと納税を行った場合の寄付金額-2,000円」の2万円-2千円=18,000円と「ふるさと納税の税額控除額」の全体の還付・控除額18,000円は同額になることが分かります。
なお、ふるさと納税を行ったことによる住民税の控除は、所得税の確定申告が行われていれば他に手続きはいりません。
また、会社員でふるさと納税の寄付先が5自治体以内の場合、自治体から届いた申請書類を提出することにより、ワンストップ特例制度を受けることができますので、所得税の還付部分も合わせて住民税の控除が自動的に行われることになります。
まとめ
ふるさと納税の制度は、いろいろな不具合に対応するために改正が繰り返されており、制度の仕組みを理解することは非常に困難なっています。
ただし、基本的には、ふるさと納税を行った金額-2,000円が税額の控除対象になるため、2,000円と地方自治体からの返礼品を比較して寄付を行うかどうかを決めれば良いです。
現状、各ふるさと納税サイトが独自でポイントを付与しています。よって、2000円と返礼品+ポイントを比較して寄付を行うかを判断することになります。ただし、2025年10月以降、ポイントの付与は禁止になります。
なお、具体的にどれ位の金額をふるさと納税として寄付できるかは、以下の各ふるさと納税サイトで具体的に確かめることができます。
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