お金を稼ぐと必ず議論しなければならない論点に、「この儲けには税金はかかるの?」というものがあります。
個人でお金を稼いだ場合、対象になる税金は所得税ですが、儲けにも課税されるものと非課税のものがあります。
そこで、今回は所得税の非課税所得についてまとめていきます。
所得とは
所得とは収入から必要経費を差し引いた後の儲けのことをいいます。
所得税法では、所得、つまり儲けに対して税金を課税しています。
所得の種類は、利子所得、配当所得、不動産所得、事業所得、給与所得、退職所得、山林所得、譲渡所得、一時所得および雑所得の10種類に分類され、所得税法上では、それぞれの所得の内容と計算方法を定めています。
なお、所得税は個人が得たすべての所得(儲け)に対して課税されるのが原則になります。
所得税の非課税所得について
所得税は、個人が稼いだすべての所得(儲け)に対して課税されるのが原則ですが、所得(儲け)の中には、社会的政策などから所得税を課税されないものもあり、これを非課税所得と呼んでいます。
非課税所得は、所得税法や租税特別措置法などの法律で決められています。
非課税所得に該当した場合、所得税を納めるための税金計算の対象外になるため、非課税所得を得た人が、申告や納税など税務上の特別な手続きを行う必要はありません。
非課税所得のうち、代表的なものを列挙すると以下のようなものがあります。
①NISA・ジュニアNISA口座内で生じた売却益や配当金
⇒本来は、株式の売却益は譲渡所得、配当金は配当所得の対象になりますが、社会的政策から、NISA・ジュニアNISA口座内で生じた売却益や配当金は非課税になっています。
ジュニアNISAの口座開設は2023年で終了になりました。NISAの口座開設の年齢制限が18歳以上であるため、今後は18歳未満の人はNISA口座が利用できません。
②遺族年金・障害年金
⇒社会的政策により、遺族や障害者に対する年金から税金を徴収するはあまりに酷なため、所得税が非課税になります。なお、遺族年金には、遺族基礎年金と遺族厚生年金が含まれ、障害年金には、障害基礎年金、障害厚生年金、障害手当金が含まれます。
遺族基礎年金と傷害基礎年金はすべての人が受給できる可能性があります!遺族厚生年金と傷害厚生年金は、会社員などで厚生年金に加入していた期間がある人とその遺族が受給できます。障害手当金は厚生年金加入者で軽い障害状態になった場合に受給できます。
③生活動産の譲渡による所得
⇒自動車・家具や衣服など生活に必要なものの売却益は非課税です。
ただし、30万円を超える宝石などは課税、自動車も課税になる可能性があります。
生活用に利用している高額な自動車、事業で利用している自動車の譲渡は譲渡所得(総合課税)の課税対象になります(非課税にはならないので注意!)。
④損害賠償金、慰謝料、医療保険の給付金
⇒身体や精神的なマイナスを補填するためのお金なので、そもそも儲けには該当しませんので所得税が非課税になります。
⑤出張手当(日当)
⇒会社の規程で定めていれば所得税は非課税になります。
出張により普段より余分な出費が増えるため非課税になっています。
会社を経営している場合には、出張旅費規程をきちんと整備しましょう!
⑥国内の宝くじの当選金
⇒宝くじの購入時にすでに税金が課税されているので、当選金の受け取り時点では、非課税になります。
懸賞の当選金は、一時所得として課税対象になるので注意!
⑦15万円までの通勤手当
⇒通常、通勤するために必要になるお金で、所得税を掛けるのは酷なため、非課税になります。
所得税は非課税でも、社会保険料の計算基礎になる標準報酬月額には通勤手当は含まれてしまうので、遠くに住んでいる人ほど保険料は高くなってしまいます!
⑧火災保険の保険金
⇒火災によって燃えてしまったものを補填するためのお金であり、そもそも儲けには該当しませんので所得税は非課税になります。
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