銀行預金と似た金融商品にMMFとMRFというものがあります。
MMFとMRFは厳密には元本保証商品ではありませんが、極めて元本保証に近い、安全性の高い金融商品です。
さらに銀行預金より金利が良いため、MMFとMRFは人気があります。
今回はMMFとMRFの内容、両者の共通点と相違点についてみていきましょう。
MMF(マネー・マネジメント・ファンド)とは
MMFは、公社債など安全性の高い商品で運用を行う投資信託です。
つまり、株式など安全性が低い商品を組み込むことなく、元本の安定性を重視し、ローリスクな運用が行われる公社債投資信託になります。
MMFは楽天証券やsbi証券などの証券会社から購入することが出来ます。
さらに、最近では、海外と国内の金利差が大きいことから海外MMFを購入する人が増えています。
MRF(マネー・リザーブ・ファンド)とは
MRFも、短期公社債など安全性の高い商品で運用を行う投資信託です。
つまり、株式など安全性が低い商品を組み込むことなく、元本の安定性を重視し、ローリスクな運用が行われる公社債投資信託になります(MMFと購入する商品が少しだけ異なります)。
金融商品取引のために証券会社口座を作成し、お金を預け入れると自動的にMRFで運用されていることが多いです。
その意味で、証券会社の普通預金口座と整理することができます。
MMFとMRFの共通点
MMFとMRFの共通点は共に証券会社が販売する公社債投資信託で、元本の安全性を重視してローリスクの運用が行われる投資信託であるということです。
ただし、MMFとMRFは投資信託であるため、銀行預金のような元本保証商品ではありません。
つまり、①証券会社が破綻してしまった場合や②運用成果が悪く元本が毀損してしまった場合には、購入者は損失を被る可能性があります。
①証券会社が破綻してしまった場合には、銀行預金にある1000万円+その利息分まで預金を保護する制度(預金保護制度)はMMFとMRFにはありません。
ただし、証券会社では、顧客資産を証券会社の資産と分別して管理することが求められています。
よって、証券会社が破綻しても顧客資産はきちんと保管されているということになります。
また、証券会社が破綻しても投資者保護基金というものに証券会社は加盟しているので、最大で1000万円までの投資額は保証されます。
②運用成果が悪く元本が毀損してしまった場合ですが、MMFには、ほぼ元本が毀損した実績はなく、MRFに至っては元本が毀損した実績が全くありません。
MRFは30年以上前から存在し、MMFはさらに以前から存在していますが、近年で元本が毀損した事例は、2001年のエンロン事件の時に一部の証券会社の外貨建てMMFのみです。
よって、MMFとMRFは限りなく元本毀損リスクが低い金融商品だと言えます。
MMFとMRFの相違点
MMFとMRFの違いは以下の3点になります。
- 金利
- 解約可能期間
- 外貨建てがあるかないか
金利
MMFの方がMRFより少しだけ金利が高くなります。
これは、次に説明する解約可能期間と関係するもので、MMFは一定期間解約不能な分、落ち着いて運用できるので、高い利回りが期待できるということです。
解約可能期間
MMFには、購入後30日以内に売却すると解約手数料が発生するというペナルティがあります。
逆にMRFは、いつでも解約可能ですので、購入した次の日に売却するということも可能です。
証券会社にお金を預けると自動的にMRFで運用されていることも多く、非常に流動性が高い金融商品になります。
外貨建てがあるかないか
MMFには外貨建てMMFがありますが、MRFには外貨建てMRFというものがありません。
外貨建てMMFは海外の金利が日本の金利より圧倒的に高いので、非常に人気の商品になっています。
インターネットの普及で誰でも簡単に楽天証券やsbi証券などのネット証券会社から外貨建てMMFが購入できる時代になっています。
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