所得控除の1つである生命保険料控除を利用すれば、所得税・住民税を少しだけ安くできます。
生命保険料控除は比較的簡単に適用できる所得控除ですが、内容が難しいと感じて所得控除を受けていない方も多いのではないでしょうか。
そこで、今回は、生命保険料控除(所得控除)の内容、節税額、適用方法についてをまとめていきます。
生命保険料控除とは
生命保険料、介護医療保険料及び個人年金保険料の1年間の支払額は、金額に応じて一定額が生命保険料控除(簡単にいうとみなし経費)の対象になります。
つまり、生命保険料、介護医療保険料及び個人年金保険料を支払えば、所得税や住民税などの税金が安くなります。
生命保険料、介護医療保険料及び個人年金保険料の支払額は、それぞれ別枠の生命保険料控除の対象として取り扱われるので、所得税と住民税で、最大以下の表のような生命保険料控除(所得控除)を受けることができます。
【生命保険料控除の最高所得控除額】
区分 | 所得税 | 住民税 |
---|---|---|
一般の生命保険料控除 | 4万円 | 2.8万円 |
介護医療保険料控除 | 4万円 | 2.8万円 |
個人年金保険料控除 | 4万円 | 2.8万円 |
合計の控除額 | 12万円 | 7万円 |
注意点として、住民税の生命保険料控除は最大で合計7万円までで、2.8万円×3=8.4万円ではないということです。
生命保険料控除を利用した場合の実際の節税額は適用される所得税率により異なります。ただし、一般的な所得税率は20%~30%の範囲内になります。例えば、所得税率20%の人が生命保険料控除8万円を受けた場合、8万円×20%=1.6万円の節税が出来たことになります。
生命保険料控除の対象となる保険の内容について
生命保険料控除の対象となる保険には、一般の生命保険料、介護医療保険料、個人年金保険料があります。
それぞれの保険の内容を確認していきましょう。
一般の生命保険料
一般の生命保険料とは、死亡または生存に起因して保険金が支払われる保険契約の年間支払額のことです。
代表例としては、定期保険・終身保険・収入保障保険・学資保険の保険料があります。
介護医療保険料
介護医療保険料とは、病気やケガに起因して保険金が支払われる保険契約の年間支払額のことです。
代表例としては、医療保険・がん保険・介護保険の支払額があります。
個人年金保険料
個人年金保険料とは、将来の退職時に一時金又は年金の給付を受けるための保険契約の年間支払額のことです。
代表例としては、「個人年金保険料税制適格特約」に該当する個人年金保険の支払額です。
個人年金保険料を年額8万円に設定すれば、一番節税効果を享受できるためお勧めします!個人年金保険料を掛け過ぎると節税効果は薄れてしまうので、NISAやiDeCoも一緒に検討すると良いでしょう。
生命保険料控除の適用方法
生命保険料控除に該当しても、きちんと申請しなければ、所得税や住民税は安くなりません。
では、どうやって生命保険料控の申請をするのでしょうか?
会社員の場合、生命保険料控除の申請は、会社の年末調整の手続きで行うことができます。
保険会社から10月ごろに郵送で送られてきた控除証明書を会社に提出すれば、会社員が行う手続きはほかにありません。
個人事業主や会社員で年末調整時に控除証明書の会社への提出を忘れてしまった人は、所得税の確定申告を行うことで、生命保険料控除を受けることができます。
所得税の確定申告は保険料を支払った翌年の2月16日~3月15日の間に行うことになります。
なお、所得税の確定申告を行うと、住民税の生命保険料控除も適用されます。
会社員の人は、会社に年末調整で生命保険料控除を適用してもらおう!ただし、年末調整に間に合わなくても、自分で所得税の確定申告をすれば、生命保険料控除を受けることができます!
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