国内の金利と国外の金利の差が開いている昨今では、外貨預金での資産運用を考えている人は多いのではないでしょうか?
そこで、今回は、初心者が知っておきたい外貨預金のメリットとデメリットについて説明していきます。
なお、類似の金融商品に外貨建てMMFもありますので、そちらをまとめた記事もよかったら是非ご覧ください。
外貨預金とは
外貨預金とは、米ドル、豪ドル、ユーロなどの諸外国の通貨で預金を行うことです。
外貨預金は必ずしも海外の銀行にお金を預ける必要はなく、国内の銀行でも外貨預金をすることができます。
三菱UFJ銀行や三井住友銀行などの大手銀行だけでなく、楽天銀行やSBI新生銀行などのネット銀行でも外貨預金をすることができます。
外貨預金のメリット
外貨預金のメリットは、以下の3つになります。
- 金利が高い
- 為替差益が得られる
- 少額から始められる
金利が高い
日本の全体の金利が海外に比べて相対的に低いため、外貨預金の金利は、日本の預金の金利より非常に高い傾向にあります。
例えば、米ドルの1年ものの外貨定期預金の場合、2024年11月現在で3.7%の金利が付きます。
ちなみに同じ銀行の1年ものの国内の定期預金の金利は0.125%です。
為替差益を得られる
為替相場の変動により外貨預金は為替差益を得られる可能性があります。
例えば、100万円を外貨預金に預け入れた時の為替相場が100円で、引き出し時の為替相場が120円であれば、それだけで20万円の為替差益を得られることになります。
なお、この為替差益は、雑所得に該当し、所得税の確定申告が必要になります(ただし、1年で20万円以下の為替差益は非課税)。
また、消費税の課税要件である、「資産の譲渡・貸付け、役務の提供であること」に当てはまらないので、為替差益の消費税は課税対象外(不課税取引)になります。
外貨預金のデメリット
外貨預金のデメリットは以下の4つになります。
- ペイオフ(預金保険制度)の対象外である
- 為替差損が発生する場合がある
- 為替手数料がかかる
- 為替レートが銀行に有利になっている
ペイオフ(預金保険制度)の対象外である
外貨預金はペイオフ(預金保険制度)の対象外のため、仮に銀行が破綻した場合、外貨預金の残高は一切保護されないことになります。
つまり、国内預金の場合、1000万円+その利息分までは、仮に銀行が破綻しても預金残高が保護されますが、外貨預金の場合、仮に銀行が破綻したら一銭も預金残高が戻ってこない可能性があります。
国内の銀行の外貨預金でもペイオフ(預金保険制度)の対象外なので間違えないように!
為替差損が発生する場合がある
例えば、100万円を外貨預金に預け入れた時の為替相場が100円で、引き出し時の為替相場が80円であれば、それだけで20万円の為替差損を被ることになります。
為替差損が生じた場合、所得税の確定申告は不要です。
ただし、他の雑所得(例えば為替差益)があれば、それと為替差損を相殺できるので、所得税の確定申告をする必要があります。
為替差損は他の雑所得と相殺できるだけで、給与所得などの雑所得以外の所得との相殺はできません。
為替手数料がかかる
銀行によって為替手数料は異なりますが、①外貨預金への預入時(円を外貨に換える時)と、②外貨預金からの引き出し時(外貨を円に換える時)に、それぞれ為替手数料が生じます。
例えば、預入時と引き出し時にそれぞれ0.5円ずつの為替手数料がかかるのならば、最低でも1円以上為替レートが上昇していない限り、元本割れが生じることになります。
為替レートが銀行に有利になっている
外貨預金の取引をする場合、実はTTSとTTBという2つの為替レートがあります。
- TTS
-
円を外貨に換えるレートで、外貨預金の預入時に適用される為替レート
- TTB
-
外貨を円に換えるレートで、外貨預金の引き出し時に適用されるレート
そして、TTSのレートはTTBのレートより高く設定されています。
例えば、米1ドルにつき50銭だけTTB(例:99.5円)の方がTTS(例:100円)より安く設定されていた場合、引き出し時の為替相場が預入時の為替相場より50銭以上円安にならないと、元本割れをすることになります。
①為替レートと②為替手数料は別の概念なので、両方を考慮にいれる必要があります!
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