GDP(国内総生産)という言葉はよく聞きますが、一体どんなものか正確に把握している人は少ないと思います。
そこで今回は、GDP(国内総生産)とはなにか?日本の現在のランキングは?という情報をまとめていきます。
GDP(国内総生産)とは
GDPとは「国内総生産」のことで、一定期間内に国内の経済活動によって生み出された付加価値の総額のことをいいます。
なお、付加価値とはサービスや商品を販売した時の値段から、原材料や流通費用などの諸費用を差し引いた値段のことです(簡単に言うと儲けのことです)。
例えば、ピザパンが1個200円で売られていて、原材料の小麦粉・チーズの原価が100円、トラックで運ぶためのガソリン費や人件費が60円ならば、付加価値は200円-100円-60円=40円ということになります。
GDPによって、一定期間内に国内でどれだけの付加価値が生み出されたか、つまり、国内の経済状況の良し悪しを知ることが可能になります。
例えば、前四半期のGDPが100兆円、当四半期のGDPが105兆円ならば、GDPの成長率は5%で、経済が順調に成長していることが分かります。
名目GDPと実質GDPについて
GDPは、国内の経済状況を知ることができる指標ですが、 物価の変動を考慮に入れるかどうかによって、名目GDPと実質GDPに分けることができます。
名目GDPは、一定期間の付加価値(儲け)の単純合計になります。
よって、インフレ等で貨幣価値が下がっていても、名目GDPでは考慮外になります。
実質GDPは、名目GDPとは違い、インフレなどの貨幣価値の変動を考慮にいれて計算します。
よって、実質GDPは名目GDPより正確な経済成長の状況把握をすることができます。
なお、名目GDP、実質GDPともに内閣府HPの国民経済計算(GDP統計)で確認することが出来ます。
国民経済計算(GDP統計)では、名目GDP、実質GDPともに各四半期(4月~6月、7月~9月、10月~12月、1月~3月)と年度(4月~3月)を対象に集計がなされています。
日本のGDPの順位について
GDPは、「国内」の儲けの総額のことなので、当然に世界各国で計算されています。
世界各国のGDPはIMF統計から確認できます。
【世界各国の名目GDP(2023年)】
順位 | 国名 | 単位(百万米ドル) |
---|---|---|
1位 | アメリカ | 27,720,725 |
2位 | 中国 | 17,758,046 |
3位 | ドイツ | 4,527,009 |
4位 | 日本 | 4,219,828 |
5位 | インド | 3,567,552 |
6位 | イギリス | 3,382,115 |
7位 | フランス | 3,052,712 |
8位 | イタリア | 2,301,603 |
9位 | ブラジル | 2,173,671 |
10位 | カナダ | 2,142,471 |
世界各国の1年間の名目GDPにおける日本の名目GDPの順位は現状4位(約4.2兆ドル)になっています。
ただし、名目GDPは国民全体の数値であり、国民の数が多い方が働き手が多いため順位が上位になります。
よって、純粋な一人当たりの儲けである、国民1人当たりGDPを考慮するべきでしょう。
【世界各国の国民1人当たり名目GDP(2023年)】
順位 | 国名 | 単位(米ドル) |
---|---|---|
1位 | ルクセンブルク | 129,810 |
2位 | アイルランド | 103,465 |
3位 | スイス | 101,510 |
4位 | ノルウェー | 87,702 |
5位 | シンガポール | 84,734 |
省略 | 省略 | 省略 |
31位 | キプロス | 35,015 |
32位 | 日本 | 33,898 |
33位 | スペイン | 33,895 |
34位 | ブルネイ | 33,576 |
国民1人あたりのGDPに直すと、日本のGDPの順位は32位(約3.4万ドル)になります。
全体の名目GDPが世界第4位だという事実は知られていますが、国民1人当たりの名目GDPは思ったより低い順位だと感じる人が多いのではないでしょうか。
GDPはあくまで数値だけの統計であり、最近話題の環境面への配慮など数値に見えないものは配慮されていませんが、我々の生活レベルを確認する良い資料になります。
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