6つの係数を理解すると貯蓄が増えるかもしれない!

お金の運用や積立するうえで最も大切になるのは、事前の試算です。

事前の試算なしにお金の運用や積立を始めると、明確な目標が立たず、経済不況などの伸び悩み時期に必ず挫折します。

そこで今回は、事前の試算を簡単にするための6つの係数についてみていきましょう(大切なのでFPの試験などでも頻出します)。

具体的には、①終価係数、②現価係数、③年金終価係数、④減債基金係数、⑤年金現価係数、⑥資本回収係数の6つになります。

終価係数

終価係数元本(最初の出資額)を一定期間、一定利率で複利運用した場合に、将来いくらになるかを計算する時に使用します。

例えば、元本1000万円を年率10%で複利運用すると終価係数は2.594になります。

つまり、10年後には、2594万円(1000万円×2.594)になることが終価係数より判明します。

なお、複利運用とは、元本だけでなく元本から発生した利息についても元本に上乗せする形で運用することで、雪だるま式に利息を増やしていく運用方法をいいます。

例えば、元本1000万円を年率10%で3年間運用した場合、1000万円×1.1×1.1×1.1=1331万円になり、元本だけを年率10%の利息で運用するより、31万円(1331万円-1300万円)も利息が多くなります。

現価係数

現価係数とは将来の一定期間後に目標のお金を獲得するために、現在いくらの元本で複利運用しなければならないかを計算する係数です。

例えば、10年後に1000万円のお金が必要で、年率5%で複利運用できるならば、現価係数が0.614になるので、現時点で元本は614万円(1000万円×0.614)必要になります。

年金終価係数

年金終価係数は、一定期間、一定利率で毎年一定金額を複利運用で積み立てた場合、将来いくらになるかを計算するための係数になります。

例えば、年率3%の複利運用で毎年100万円を10年間積み立てると、年金終価係数は11.464なので、1146.4万円(100万円×11.464)貯められることになります。

年金現価係数

年金現価係数とは、元本を一定利率で複利運用しながら、毎年一定金額を一定期間で取崩した場合、最初の元本はいくら必要かを計算するための係数になります。

例えば、毎年100万円を20年間受け取り続けるために、毎年5%で複利運用すると、年金現価係数は12.462なので、1246.2万円(100万円×12.462)の元本が最初に必要ということになります。

なお、「終価」と「現価」という言葉が頻出していますが、「終価」は将来いくらになるかで「現価」は現在いくらの元本が必要かということを指していると覚えておきましょう。

減債基金係数

減債基金係数は、将来の一定期間後に目標金額を得るために、一定利率で一定金額を複利運用で積み立て場合、毎年いくら必要かを計算するための係数です。

例えば、20年後に3000万円積み立てることを目標し、年率5%で複利運用したならば、減債基金係数が0.03なので、毎年90万円(3000万円×0.03)ずつ積み立てていくことになります。

資本回収係数

資本回収係数は、元本を一定利率で複利運用しながら、毎年一定金額を一定期間取り崩していく場合、毎年いくらずつ受け取ることができるかを計算するための係数です。

資本回収係数は、借入額に対する利息を含めた毎年の返済額を計算する場合にも利用することができます

例えば、3000万円を年利3%で借り、10年で返済する場合、資本回収係数は0.117のため、毎年351万円(3000万円×0.117)ずつ返済していくことになります。