複利と単利の違いと計算方法について

かつて物理学者のアインシュタインが「複利は人類最大の発明である」語ったとされています。

この複利を最大限活用するために、金融商品を長期間保有する方法があります

複利効果のある金融商品を長期間保有すると、数年後~数十年後に合計積立金額が雪だるま式に増えていくことが分かっています。

今回は、複利と単利の違いと計算方法などにスポットを当てて、解説していきます。

単利とは

複利の詳細を見ていく前に、まずは、国債の利息などで採用されている単利について確認していきましょう。

国債を購入した場合、購入金額と預入期間に比例して単利の利息を受け取れます。

単利とは、元本に対して「のみ」利息が発生する方法で、単利の利息とは、当初の元本に対してのみ利息が発生するものです。

例えば、10年国債を100万円購入し、その国債の利息が年1%だった場合、10年間貰える毎年の利息は100万円×1%=1万円と一定になります。

つまり、利息が発生して当初の運用額が100万円より多くなっても、発生する利息は常に一定になります。

単利の代表例には、国債以外にも社債や分配金を毎月受け取るタイプの投資信託、単利型の定期預金があります。

単利の利息の算出式を確認しておきましょう。

単利の利息の計算式

単利の利息=元本×金利

複利とは

複利とは、元本に過去の利息を加えたものを、次の利息を計算をする時の元本として利用し、利息を計算する方法です。

例えば、元本100万円で年利5%の複利の金融商品を購入した場合、1年後の利息は100万円×5%=5万円、2年後の利息は(100万円+5万円)×5%=5.25万円、3年後の利息は、(100万円+5万円+5.25万円)×5%=5.5125万円……と利息がさらに利息を生み、雪だるま式に増えていきます。

発生した利子を元本に組み入れることができるため、運用期間が長くなればなるほど、複利の場合は、利子の総額が大きくなります

複利の代表例には、普通預金複利型の定期預金などがあります。

また、最近では、株式の配当金や投資信託の分配金をそのまま再投資に回して、複利効果を得ようとするサービスが証券会社を中心に行われています。

複利の利息の算出式を確認しておきましょう。

複利の利息の計算式

複利の利息=(元本+過去の利息の合計)×金利

複利効果のシュミレーション

複利効果を利用して、雪だるま式に貯蓄額を増やしていこうという議論が国主導で活発に行われています

そこで、複利効果のシミュレーションを以下の表にまとめていきます。

なお、前提条件として、毎月5万円を10年間で積み立てた場合とします。

注目して頂きたいところは、金利の差による最終的な元本+利息の合計金額になります。

複利3%で運用した場合

元本
利息
合計
1年目
60万円
0.8万円
60.8万円
2年目
120万円
3.5万円
123.5万円
3年目
180万円
8.1万円
188.1万円
4年目
240万円
14.7万円
254.7万円
5年目
300万円
23.2万円
323.2万円
6年目
360万円
33.9万円
393.9万円
7年目
420万円
46.7万円
466.7万円
8年目
480万円
61.7万円
541.7万円
9年目
540万円
79万円
619万円
10年目
600万円
98.7万円
698.7万円

複利5%で運用した場合

元本
利息
合計
1年目
60万円
1.4万円
61.4万円
2年目
120万円
5.9万円
125.9万円
3年目
180万円
13.8万円
193.8万円
4年目
240万円
25.1万円
265.1万円
5年目
300万円
40万円
340万円
6年目
360万円
58.8万円
418.8万円
7年目
420万円
81.6万円
501.6万円
8年目
480万円
108.7万円
588.7万円
9年目
540万円
140.2万円
680.2万円
10年目
600万円
176.4万円
776.4万円

複利10%で運用した場合

元本
利息
合計
1年目
60万円
2.8万円
62.8万円
2年目
120万円
12.2万円
132.2万円
3年目
180万円
28.9万円
208.9万円
4年目
240万円
53.6万円
293.6万円
5年目
300万円
87.2万円
387.2万円
6年目
360万円
130.6万円
490.6万円
7年目
420万円
184.8万円
604.8万円
8年目
480万円
250.9万円
730.9万円
9年目
540万円
330.3万円
870.3万円
10年目
600万円
424.2万円
1024.2万円