現状では、日本と諸外国の金利の差が大きく、外貨建てMMFは他の国内の金融商品に比べて圧倒的に利回りが良いです。
また、外貨建てMMFは、外貨預金と近い性質のものですが、外貨預金よりメリットが多く、非常に購入しやすくなっています。
今回は、外貨建てMMFのメリット・デメリットについてみていきましょう。
なお、類似の金融商品に外貨預金もありますので、そちらをまとめた記事もよかったら是非ご覧ください。
外貨建てMMFとは
外貨建てMMF(Money Market Fund)とは、外貨で運用される投資信託です。
外貨建てMMFは、追加型公社債投資信託の一種で、格付が高い、短期の国債や地方債、社債などで運用されます(公社債投資信託なので、株式や不動産では運用されません)。
そのため、比較的安全性が高く(ただし、元本保証ではない!)、外国通貨の金利水準が運用成績に反映されます。
外貨建てMMFは、店舗型の証券会社で購入できるほか、楽天証券やSBI証券などのネット証券でも購入することが出来ます。
外貨建てMMFのメリット
外貨建てMMFのメリットは、5つあります。
- 利回りが比較的高い
- 複利効果が期待できる
- 安全性が高い
- 少額から購入できる
- 税金的に有利になることが多い
利回りが比較的高い
金利が高い国の外貨建てMMFを選択すれば、日本国内の金利より圧倒的に高い金利を得ることができます。
例えば、米国の外貨建てMMFを選択すれば年率で4%程度の利回りを受けることができます。
複利効果が期待できる
外貨建てMMFは、毎日決算が行われ、毎月末に利息相当額がまとめて再投資されますので、複利の効果を適切に享受することができます。
複利とは、利息を元本に加えながら投資を続けていく方法で、元本に加えた利子にもさらに利子がついていくので、雪だるま式に投資元本が増えていく方法です。
安全性が高い
外貨建てMMFは、元本保証の商品ではありません。
しかし、格付が高い短期の国債や地方債、社債などで運用されていますので、安全性が非常に高いです。
また、外貨建てMMFは、いつでも手軽に解約でき、この点でも安全性が高い商品だと言えます。
少額から購入できる
外貨建てMMFは、1,000円程度と少額から購入できます。
また、追加出資も1円からできます。
他の外貨建ての定期預金の最低預入額が10万円程度だと考えると、非常に少額から始めることが出来ます。
税金的に有利になることが多い
外貨建てMMFとよく比較されるのが外貨預金です。
所得税法上、外貨預金は「雑所得」の区分になり、外貨建てMMFは「譲渡所得」の区分になります。
一般的には、譲渡所得の場合は、他の投資損失(株式や投資信託などの投資損失)と損益通算ができるため、雑所得と比較して、税金上有利になります。
また、外貨建てMMFの譲渡所得を申告分離課税にすれば、確定申告が不要になります。
一方、外貨預金に関しては、雑所得には、申告分離課税という制度がないため、確定申告が必要になります。
外貨建てMMFのデメリット
外貨建てMMFのデメリットは、3つあります。
- 元本保証ではない
- 為替手数料が発生する
- 信託報酬が発生する
元本保証ではない
外貨建てMMFは、公社債などの安全性の高い商品に投資しており、他の投資方法に比べて危険性は少ないですが、それでも元本保証ではありません。
為替手数料が発生する
外貨建てMMFを売買する場合、証券会社に売買手数料を支払う必要はありませんが、円から外貨、外貨から円に交換するための為替手数料(例:SBI証券の場合売買ともに 0.25円)が必要になります。
ただし、外貨建てMMFの為替手数料は一般的に外貨預金の為替手数料より安く設定されていることが多いです。
信託報酬が発生する
外貨建てMMFは、保有期間中に信託報酬という費用(=コスト)の負担があります。
ただし、利回りから信託報酬が直接控除されますので、購入者が直接お金を支払う機会はなく、信託報酬があること自体忘れてしまうことも多いです。
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