企業物価指数とは
企業物価指数とは、企業間で取引されている商品の価格を指数化したもので、毎月の指数値を時系列で把握することで、景気動向を判断することができます。
企業物価指数は、2020年の平均指数を基準値(100)として、毎月の指数を算定しますが、原油価格や外国為替の変動の影響を受けやすいので、変動が比較的大きくなります。
企業物価指数は、①国内企業物価指数、②輸出物価指数、③輸入物価指数から構成されており、日本銀行のホームページで毎月発表されています。
国内企業物価指数
国内企業物価指数は、国内で生産した国内需要家向けの商品を対象として、生産者段階における出荷時点の価格を調査しています。
【参考:国内企業物価指数(2024年9月速報)】
輸出物価指数
輸出物価指数とは、輸出品の通関段階における船積み時点の価格を調査しています。
【参考:輸出物価指数(2024年9月速報)】
輸入物価指数
輸入物価指数とは、輸入品の通関段階における荷降ろし時点の価格を調査しています。
【参考:輸入物価指数(2024年9月速報)】
消費者物価指数とは
消費者物価指数は、全国の世帯が購入する商品やサービスの価格を指数化したもので、毎月の指数値を時系列で把握することで、景気動向を判断することができます。
消費者物価指数は、2020年平均指数を基準値(100)とし、基準値の物価に対して現在はどのくらいの物価であるかを比較して計算されます。
消費者物価指数は、総務省統計局のホームページで毎月発表されます。
消費者物価指数として、以下の3種類の指数が公表されています。
- 総合指数
- 生鮮食品を除く総合指数
- 生鮮食品及びエネルギーを除く総合指数
生鮮食品は天候の影響を受けやすく、ガソリンなどのエネルギーは海外需要を影響を受けやすいため、それぞれを除いた総合指数も公表されています。
【各種総合指数について 総務省の「消費者物価指数(全国2024年9月分)」参照】
企業物価指数と消費物価指数の推移について
企業物価指数と消費者物価指数の推移は以下のようになります。
【企業物価指数の推移(日本銀行調査統計局の「企業物価指数」参照)】
【消費者物価指数の推移(総務省の「消費者物価指数(全国2024年9月分)」参照)】
2021年以降企業物価指数も消費者物価指数も大きく伸びていますが、企業物価指数の伸び幅に比べて消費者物価指数の伸び幅が小さいのが特徴になります。
企業物価指数が「企業間の物価」で消費者物価指数が「消費者(世帯)の物価」なので、なるべく消費者(世帯)の物価を上昇させないようにしている企業努力の痕跡が見て取れます。
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